没後20年
パリに生きた偉大な版画家

長谷川潔展
開館10周年記念展
現代版画の黄金時代
郷土作家展
阿部順三展
特別展
内田正泰はり絵の世界展
企画展
木下晋展
企画展
中島通善展
特別展
笹島喜平展
朝日町立ふるさと美術館で私が企画した七つの展覧会



没後
20年 パリに生きた偉大な銅版画家

長谷川潔展

会期 20001013日(金)〜1112日(日)
会場 朝日町立ふるさと美術館
主催 朝日町朝日町立ふるさと美術館
共催 北日本新聞社
後援 NHK冨山放送局 冨山テレビ放送 新川コミュニティ放送
協賛 2000年国体開催記念 県民芸術文化祭協賛事業

長谷川潔は1917年(大正7年)にフランスに渡り、ついに60余年故国に帰ることなく1980年に89歳でパリに客死した。没後20年を記念して開催した展覧会。生前、本人から「たくさんの銅版画の作品を制作したが、本当に完成したといえるものは5〜60点ほどしかないであろう」ということを聞いていたので、自選した画集や展覧会出品リスト、書簡などを参考にしてそれらの作品を推定して厳選。また、最良の刷りの状態であると本人が確認している京都国立近代美術館所蔵作品と横浜美術館所蔵作品を展示。遺族からは資料や実際に使用していた銅版画の道具、とくに代表作の「時」の原版などが初公開された。




開館
10周年記念

現代版画の黄金時代

会期 2001720日(金)〜826日(日)
会場 朝日町立ふるさと美術館
主催 朝日町朝日町立ふるさと美術館
共催 北日本新聞社
後援 NHK冨山放送局 冨山テレビ放送 新川コミュニティ放送

[出品作家]
恩地孝四郎 棟方志功 瑛九 / 笹島喜平 斎藤清 萩原英雄 関野準一郎 
浜口陽三 
/ 浜田知明 清宮質文 駒井哲郎 / 菅井汲 前田常作 靉嘔 
相笠昌義 
/ 吉原英雄 加納光於 池田満寿夫 矢柳剛 木村光佑 黒崎彰 
野田哲也 原健 
/ 深澤幸雄 小林ドンゲ 堀井英男 小作青史 日和崎尊夫

 戦後における日本の美術において、とくに隆盛を誇ったのは現代版画であった。とりわけ1950年代から70年代にかけて世界の各都市で国際美術展が数多く開催されるようになった。日本の版画家たちはいちはやくそれらの国際展に出品して、海外との交流を深めた。そして、それらの展覧会では次々と受賞の栄誉を受け、版画大国日本として国際的に高い評価を受けた。またこの時期に日本でも大規模な「東京国際版画ビエンナーレ展」が開催され、それが刺激となって、日本の現代版画はめざましい活況を呈した。この展覧会はその時代の国際展受賞作品や話題作に焦点をあてて熱き時代の名作の数々を展示した。




阿部順三展 <文化活動の軌跡>

会期 
2002628日(金)〜825日(日)
会場 朝日町立ふるさと美術館
主催 朝日町朝日町立ふるさと美術館
共催 北日本新聞社
後援 NHK冨山放送局 冨山テレビ放送 チューリップテレビ 北日本放送 
新川コミュニティ放送

 阿部順三(19131981)は戦後まもなく郷里の泊町(朝日町)で農村の生活文化改善運動をすすめたが、そのかたわら、劇団「泊演劇研究会」を結成し、数多くの舞台を演出して地域文化の向上に努めた。後年、朝日町の町議会議員や収入役として町政にもかかわるが、最晩年の3年間にはただひたすら、油絵を描くことに没頭し、「雲」をテーマとした連作70点以上にもおよぶ絵画作品を残した。この展覧会ではそれらの油絵を展示し、また写真や資料で演劇活動などの文化活動の軌跡をたどった。




内田正泰はり絵の世界展
 
<心に刻む日本の情景>

会期 20021011日(金)〜128日(日)
会場 朝日町立ふるさと美術館
主催 朝日町朝日町立ふるさと美術館
共催 北日本新聞社
後援 NHK冨山放送局 冨山テレビ放送 新川コミュニティ放送

 筆や絵の具で描いた絵ではなく、紙をやぶって描いた絵。一般的に趣味で行われている和紙ではなく、洋紙の色紙で、ほとんど下絵なく、即興で制作される。今、失われようとしている日本の山村の美しい風景をすばらしい色調で表現。今回の展覧会は40数年にわたり究めつづけてきた内田正泰さんの「はり絵芸術」の総決算。全国ではじめてその全貌を公開する回顧展。97点の展示。




町制施行50周年記念
木下晋展 
<鉛筆画による迫真のリアリズム>

会期 2004717日(土)〜912日(日)
会場 朝日町立ふるさと美術館
主催 朝日町朝日町立ふるさと美術館
共催 北日本新聞社
後援 北日本放送 新川コミュニティ放送

 木下晋は1947年冨山市生まれ。中学時代から彫刻を学び、やがてベニアにクレヨンで絵を描き、さらに油絵に移行。16歳で自由美術協会に最年少で入選して、天才少年画家として騒がれた。1980年代に世界の現代美術が競うニューヨークに発表の場を置くが、そこには本格的な鉛筆で描かれた絵がないことに気づき、鉛筆だけで勝負すること決意する。今回の展覧会は近年の主要テーマである人間国宝に認定された盲目の女旅芸人最後瞽女小林ハルの肖像を中心に祖母や母、妻や子など身近な人たちや浮浪者や宮大工など市井の人たちをモデルにした作品を展示。




版木画
中島通善展 <日本の面影>

会期 
20057月22日(金)〜9月25日(日)
会場 朝日町立ふるさと美術館
主催 朝日町朝日町立ふるさと美術館
共催 北日本新聞社
後援 北日本放送 新川コミュニティ放送


 中島通善は1944年東京生まれ。代々浅草の江戸っ子。早稲田大学文学部美術卒。16歳から独学で木版画を始めて45年。彫りと摺りの技術は浮世絵職人の名人級。その技術によって、「版木画」とよぶ木目を生かした自画・自刻・自摺の独創的な木版画を確立。版木も紙もバレンも純日本製の極上の用具を使用し、日本の風土と文化
が生み出した木版画。良い摺りの作品は極度の神経の集中と体力を必要とし、1日1枚がやっと。その摺りの妙によって、過ぎ行く美しき日本の面影を研ぎ澄まされた感性で見事に表現した至芸の作品。101点展示。



生誕100年記念
笹島喜平展 <拓刷り木版画>

会期 20057月22日(金)〜9月25日(日)
会場 朝日町立ふるさと美術館
主催 朝日町朝日町立ふるさと美術館
共催 北日本新聞社
後援 北日本放送 新川コミュニティ放送

 笹島喜平(1906〜1993)は日本の黒白木版画の業績では地味な存在ではあるが平塚運一、棟方志功とともに並び称せられるべき巨星のひとりである。画業に専心したのは40歳頃からと遅かったが、棟方志功の最初の弟子であり、第一の弟子であった。それは陶匠浜田庄司の紹介であった。ある時期からは棟方の主観的表現主義から離れ、自然讃迎と客観的な写実主義の確固たる立場を形成し、日本美を象徴とする古都風景、不動明王などの仏像、美女神、霊峰富士などの名作を次々と生み出した。それらは簡潔、明快、心技一体の極致である。とくに「拓刷り木版画」は笹島喜平が創案した独創的な技法で日本の現代創作版画の新しい芸術世界を切り開いた。
 今回の展覧会は生誕100年を記念して笹島喜平の芸業のエッセンスをベストセレクションで紹介。

展覧会の図録表紙

竹久夢二展 U 1999年 7月27日〜 8月25日
現代美術の精鋭たち 1999年10月15日〜11月23日
左時枝油絵展  2000年 7月15日〜 8月27日
大平匡昭書展  2001年10月19日〜11月25日
追悼・柚月芳展  2003年 8月 1日〜 10月13日
大平山濤書展 2003年10月17日〜11月24日
とやまの工芸と美 ’03 2003年11月28日〜12月23日
日本表現派の画家たち 2004年 2月14日〜 3月31日
竹久夢二展 本の美術と写真 2004年 4月 9日〜 5月30日
梅津榮ありのまま展 2004年 9月18日〜11月 7日
井口文秀童画展 2005年 1月 5日〜 3月31日
殿村芳謙展 2006年 2月17日〜3月29日

[その他担当した展覧会]


長谷川潔の生涯
長谷川芸術の特色
内田正泰さんのはり絵
現代版画の黄金時代
阿部順三さんの絵と演劇
木下晋さんの鉛筆画
中島通善さんの版木画
笹島喜平の生涯 

<私が執筆したテキスト>


笹島喜平の芸業

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